
(初出:25/07/04)
漫画界のアカデミー賞と言われるアイズナー賞を4度も受賞し、世界中にファンを持つ、日本が誇るホラー漫画の鬼才、伊藤潤二。
2023年1月には、その独創的な世界観と圧倒的な画力で描かれる魅力的なキャラクターが創り出す”恐怖の傑作“から、「富江」「双一」「首吊り気球」など選りすぐりの代表作20タイトルをアニメ化。
「マニアック」というタイトルで、Netflixにて全世界に独占配信され、アジア各国のNetflixでTOP10入りを果たした(2024年にはTOKYO MXでも放送)。
その続編となるアニメ第3期「伊藤潤二『クリムゾン』」の制作が決定した。
今回のシリーズコンセプトは”怪物“で、タイトルのクリムゾン(CRIMSON)とは、深紅や真っ赤な色を指している。
独特の狂気に満ちた傑作を厳選、不気味で奇々怪々、それでいて独創的な伊藤潤二の世界にどっぷり浸れる恐怖物語集となっている。
また、フランス・パリで開催中のJapan EXPO 2025にて、本作主題歌が松任谷由実の書下ろし『烏揚羽』(からすあげは)に決定したことが発表された。
両者の交流は、2024年世田谷文学館で開催された『伊藤潤二展 誘惑』を、松任谷由実が訪問。その様子をSNSで投稿したのを、以前よりユーミンの大ファンであった伊藤先生が目にしたことがきっかけとなり、スタート。
両者が初対面した、伊藤潤二がユーミンのラジオに出演した際には、『伊藤潤二展 誘惑』で購入した浴衣をまとったユーミンが伊藤潤二をお出迎えした。

なお、楽曲『烏揚羽』は、今秋発売予定の松任谷由実40枚目となるオリジナルアルバムに収録予定で、MUSIC VIDEOに登場する「烏揚羽」は、伊藤潤二描き下ろしのイラストとなる。
■伊藤潤二先生 コメント:
”現在、私の原作を基にした「伊藤潤二『クリムゾン』」というアニメが作られています。このタイトルを聞いただけでゾクゾクして期待が高まります。
新旧の私の短編の中から、特に血のように深い赤色を存分に生かせる作品を選んでアニメ化していただけると聞いております。
ユーミンこと松任谷由実さんは、世界における最高の作曲家のひとりだと私は思います。今回「クリムゾン」のOPをユーミンさんに担当して頂ける事になりました。これは普通ではありえない事で、本当に夢のようです。
最初ユーミンさんのスキャット風のデモを聴かせていただいて、それだけですぐに名曲と感じました。とても情感豊かで、一度聴いたら忘れられないメロディです。
最近はこのユーミンさんの新たな名曲が、私の頭の中でエンドレスに流れていて、幸せに浸っております。
TVアニメ「伊藤潤二『クリムゾン』」は、真紅のイメージを想起させるアニメシリーズとなるのは重要なポイントだと思います。
さらに加えて、松任谷由実さんがOPを担当してくださる事により、「コレクション」や「マニアック」とはまた違った雰囲気の、特別なアニメ作品になる事でしょう。
ファンの皆さんも待ち遠しいと思いますが、是非楽しみにしていてください!”
■松任谷由実 コメント:
”伊藤潤二作品には、それがどんなにシュールでグロテスクでも、その根底になぜか必ず繊細な“和”の美しさと哀しみが漂っています。
むしろ、異形であればあるほど、そこに在るのに決して掴むことのできない何かへの憧憬が炙り出されるのかも知れません。
私たち日本のファンも、多くのフランスのファンの方々も潜在的に気づいている共通の美意識。約200年かけて醸造された妖しい世界を一緒に旅することが出来るなんて、なんと素敵なことでしょう!
このMUSIC VIDEOは、伊藤潤二『クリムゾン』に先立つ小旅行。案内役は変幻に飛びまわる(烏揚羽)。
伊藤潤二さんにお願いして黒い蝶の画を描いていただきました。
今回テーマ曲を依頼され、ラビリンスのようなコード進行にのせたメロディと共に私が思い浮かべたのは、冥界と現世を繋ぎ、異次元を彷徨うメッセンジャーの形。
偶然、フランス語でも黒い蝶はそんな意味を持つそうですね。
私の描いたイメージは間違いではなかったと思えました。
本編公開までしばらくのあいだ、ひとりでも多くの方にこの(烏揚羽)のMUSIC VIDEOで『クリムゾン』への期待をふくらませていただけたら幸いです。”
■リリース情報:
松任谷由実
『烏揚羽』
※伊藤潤二『クリムゾン』オープニング主題歌:
▽『烏揚羽』MV:
■伊藤潤二 プロフィール:
1963年7月31日、岐阜県中津川市で誕生。高校卒業後、歯科技工士の学校へ入学し、職を得るも、『月刊ハロウィン』(朝日ソノラマ)新人漫画賞「楳図賞」の創設をきっかけに、楳図かずお氏に読んでもらいたい一念で投稿。
1986年、投稿作「富江」で佳作受賞。本作がデビュー作となり、代表作になる。
3年後、歯科技工士を辞め、漫画家業に専念。「道のない街」「首吊り気球」「双一」シリーズ、「死びとの恋わずらい」などの名作を生みだしていく。
1998年から『ビックコミックスピリッツ』(小学館)で「うずまき」の連載を開始。その後も「ギョ」や「潰談」など唯一無二の作品を発表し続ける。
世界で最も権威のある漫画賞のひとつである米国アイズナー賞にて、2019年に『伊藤潤二傑作集10巻 フランケンシュタイン』(英語版)が「最優秀コミカライズ作品賞」を受賞したのを皮切りに、2021年に2部門、2022年と立て続けに同賞を受賞し、通算4度受賞の快挙を遂げる。
▽公式サイト:
http://itojunji.com
■松任谷由実 プロフィール:
1972年、多摩美術大学在学中に荒井由実として、シングル「返事はいらない」でデビュー。
ユーミンの愛称で親しまれ、「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」「守ってあげたい」「真夏の夜の夢」「Hello, my friend」「春よ、来い」など、数々の名曲を生み出す。
2022年7月5日にデビュー50周年を迎え、同年に「ユーミン万歳!~松任谷由実 50周年記念ベストアルバム~」をリリース。オリコン史上初となる 6年代(1970年代から2020年代)で首位を獲得。この記録はギネス世界記録に認定された。
これまでにオリジナルアルバム 39作品をリリース。ソロ歌手として史上初のアルバム総売上ソロ歌手 3,000万枚を突破する等、名実共に日本を代表する女性アーティストとして活躍を続けている。
2025年秋には自身40枚目となるオリジナルアルバムをリリース予定。そして、そのアルバムに連動した全国72公演に及ぶホールツアーを開催予定。