(初出:22/02/27)
約2年ぶりとなるEXILEの単独全国ツアー『EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021 “RED PHOENIX”』の初日公演が、2月26日サンドーム福井にて開催された。
今年元日に発売された最新アルバム『PHOENIX』収録曲を含め、25曲を超えるセットリストにより、新体制“NEW EXILE”のライブエンタテインメントが本格始動するステージとなった。
今回のアリーナツアーは、EXILEとしては13年ぶりのアリーナツアーの開催となるが、コロナ禍で失われてしまったファンの皆さんとの時間と取り戻すという意味合いが込め、ツアータイトルに“2021”の文字をあえて残された。
ライブは、現在の彼らを象徴する楽曲でもある「RED PHOENIX」から開始。
センターステージの高台から響き渡るEXILE SHOKICHIのドラムとEXILE NESMITHのギター、DJ卓に立つDJ ALAN(白濱亜嵐)という、MVさながらのセットでメンバーが登場すると、客席はフラッグや拍手で熱狂を返す。
炎がステージを囲む中、羽があしらわれた衣装を身に纏った熱く激しいパフォーマンスが展開され、モニターに映し出されたEXILE TAKAHIROの姿には燃える両翼が重ねられていた。
LDHの新たなライブ・エンタテインメント 配信ライブ『LIVE×ONLINE』やEXILE TRIBE LIVE TOUR 2021“RISING SUN TO THE WORLD“ドームツアー開催など、少しずつ着実に積み重ねてきたこの2年間を想起させつつも、さらにアップデートされた演出により、前進し続けるEXILEの意志が表現された一曲だった。
EXILE AKIRA、TAKAHIRO 、SHOKICHIの3人は、初日公演についての意気込みを当日の取材で、こう語っていた。
「緊急事態宣言が発出され、京セラドームのライブが中止となったのが2020年の2月26日。狙ったわけではないのですが、ちょうど2年後の今日、2月26日に走り出せるということを感慨深く思います。降雪による交通の影響に関してはファンの皆さんも心配されたかと思いますが、福井県のボランティア団体の方を始め、サンドーム周辺の地域の方々が総出で雪かきをして下さったと伺いました。そのようなご支援をいただきながら僕たちEXILEが今、こうしてライブツアーを開催する事ができるという事に身が引き締まり、皆さんのご期待に応えられるよう、NEW EXILEのエンタテインメントを精一杯届けたいという想いでいっぱいです」(AKIRA)
「この2年の間にATSUSHIさんの勇退もあり、EXILEとしては成長しなければならないターニングポイントが訪れました。思いを込めたアルバムを引っ提げて、音楽を直接届けられる喜びを感じながら一公演ずつ大切に、一人ひとりに想いを届ける気持ちで歌を歌っていきたいです」(TAKAHIRO)
「コロナ禍以降、EXILEでの単独ライブを何度も計画してきたんですが、延期・中止を繰り返して過ごしてきました。正直挫けそうになった時もありましたが、ファンの皆さんの応援だったり、メンバー同士で支え合ったり、LDH全体で鼓舞し合ってこの2年間を繋ぎ合わせてきました。ここ福井で、EXILEの単独ツアーをスタートできることに感動しています。EXILEの底力や、気合いを届けられるように全力で頑張りたいと思っております」(SHOKICHI)
また取材では、昨年末の頭部打撲の治療に専念するため、惜しくもツアー不参加となったパフォーマー・小林直己のことも語られた。
「ライブの途中に直己さんからのメッセージというか、14人全員でEXILEの思いを届けることを示すシーンも作ってありますので、ぜひ注目していただきたいと思います」(SHOKICHI)
「リハーサルでも外から演出を見て、直己の視点からアドバイスをくれたりしていたので、14人一丸となってこのエンタテインメントを作ってきたという思いがあります。僕らが代弁する形にはなりますが、ぜひお越しいただいて、直己の魂を感じてもらえたら嬉しいなと思います」(AKIRA)
今回のライブでは、最新アルバム『PHOENIX』から多くの楽曲が初披露。「DOWN TOWN TOKYO」では近未来の世界観と共に変幻自在の躍動を見せ、TAKAHIROの歌に関口メンディーがラップで加わる「アガパンサス」では世界と佐藤大樹の2人がしっとりと儚い恋心を表現。SHOKICHIが歌う「HEMERA」では、AKIRAとTETSUYAが生命力を感じさせる身体表現で魅せた。
今回のツアーの演出面での見どころについて、3人はこう答えている。
「この2年間は、LDHエンタテインメントの表現に関して新たに得た部分も多く、映像を駆使した『LIVE×ONLINE』や、声を出せない中での新しい盛り上げ方や楽曲の表現についてはすごく勉強になりました。今回のツアーはその集大成といいますか、EXILEらしい“おもてなし精神”が散りばめられています」(AKIRA)
「アルバムに基づいたコンセプチュアルな内容でありつつ、どこかでEXILEの歴史も感じていただけたらいいなと思いセットリストを考えました。あえてオマージュした過去衣裳を着ていたり、以前からずっと応援して下さっているファンの方からすれば“エモい”部分が所々にあるかと思います」(TAKAHIRO)
「フォーメーションが今までの比じゃないほど入り乱れています。会場全体、全てを120%温められるようにフォーメーションチェンジをしているので、より一体感を作り出せるライブになっているかと思います」(SHOKICHI)
20年という歴史を重ねてきたEXILE。
本ツアーの初日は、変化と進化を遂げ、EXILE魂を継承するメンバーが、この場所から新たなEXILEの歴史が刻まれていくことを確信できる、堂々たる幕開けとなった。
写真:REALY (RAW Climb) /Tomoya Tany Taniguchi/Toru Shiozaki
<音楽体験 ※記事|提供:ジェイタメ>