(初出:24/10/28)
”小説を音楽にするユニット”、YOASOBI。
今年2024年10月には結成5周年を迎え、映画『ふれる。』主題歌となる新曲「モノトーン」を配信リリース。J-POPを代表し世界に打って出ていくアーティストとして、国内外のあらゆる場面で際立った活躍を見せている。
そんなYOASOBIが、結成5周年を記念する自身初のドームライブ「YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」2days大阪公演を敢行した。
2019年の楽曲リリースから、目まぐるしい勢いで駆け抜けた5年間を振り返り、その中で見出したYOASOBIの姿を体現するツアータイトル“超現実”。 京セラドーム大阪での2days公演、両日チケットソールドアウトにて、約7万人が京セラドームを埋め尽くした。
目まぐるしい演出と、自身の想いを乗せた力強いパフォーマンスで駆け抜けた公演を、以下初日10月26日(土)公演ライブレポートにてお届けする。11月には東京ドームでの公演も控えているので、期待して待っていてほしい。
<ライブレポート>
2019年10月1日に産声を上げた、コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraによる”小説を音楽にするユニット”YOASOBI。環境も生活も何もかもが一変したこの5年は、異変ともいうべき事態で、同時に紛れもなく現実で、それに向き合うことに悩みや苦しみもあったというAyase。音楽活動をする中で突如生まれた存在が、日に日に元の自分を侵食していくような感覚もあったというikura。二人のミュージシャンがYOASOBIという現象を乗りこなし、ここを新たなスタートと銘打つ晴れ舞台『YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”』が、2024年10月26日、大阪・京セラドームで幕を開けた。
涼しい秋風も吹き抜けるドーム周辺では、グッズ販売以外にもコラボ飲食ブースや撮影スポットなどさまざまな催しが用意され、ホクホクに温まったファンが会場に入り切った18時過ぎ。過去のライブなども散りばめられたオープニング映像から、不穏なSEに重なる「超現実の世界へようこそ」というアナウンスとともに、LEDの裂け目から巨大なモンスターの爪と眼が覗き、1曲目の「セブンティーン」に突入。度肝を抜く演出と、YOASOBI曲の中でも極めてアグレッシブなナンバーに、会場は圧倒されながらも一気に超現実の世界に引き摺り込まれる。
続く「祝福」から、Ayaseとikuraのシルエットが突如変形していくような描写を経て「怪物」へ。至る所から上がる火柱に照らされようやく巨大なステージの全貌が見えてきた。LEDには時折躍動するYOASOBIの二人やバンドメンバーが写し出されながら、カットインするように蠢く異形のモンスターが国内初披露の新曲「UNDEAD」にもフィットし、観客の心拍数を上昇させる。
MCを挟んで「ハルジオン」からは一転してソリッドなパートへ。「ミスター」「もう少しだけ」ではikuraの背後に抜けるアーバンな背景と相まって、YOASOBIの楽曲が日常の色々なシーンに寄り添ってくれている事実を改めて実感する。
セットと背景が海辺に転換し、ノスタルジックな風景の中届けた「海のまにまに」と、満天の星空に響いた「優しい彗星」は、全ての楽曲に原作小説をもち、その異なる世界線を自在に行き来してきたユニットらしいシーンだ。
Ayaseが実妹の家の”2DKのDK部分”に住まわせてもらっていた時の配置を再現したというセンターステージ。ここで初期4曲(「夜に駆ける」からこの時披露した「たぶん」まで)を制作した、と懐かしむAyase。これまでの道程を大切に、周囲への感謝も忘れず一歩ずつ前に進む二人の実直さが滲む。主人公の成長を祝し幸せを願うバラード「ハルカ」を歌うikuraの表情もひときわ温かい。
そんな原点とも言える場所から、リリース前の新曲「New me」を披露。CMで流れている一部を除き誰もが初めて耳にするのに、自然と体が揺れるノリとメロディ。この場が新たなスタート地点でもあることを印象づけながら、YOASOBIの最大の武器であるポップネスが遺憾無く発揮された一幕だった。
ライブにおけるYOASOBIを5年間支えてきたバンドメンバー・仄雲(Dr.)、やまもとひかる(Ba.)、ミソハギザクロ(Key.)、AssH(Gt.)というバンドメンバーのソロ回しを経て、ここまでも客席を彩っていた制御型LEDライト「FreFlow(R)(フリフラ)」を使ったクイズコーナーでひと盛り上がり。音楽へのストイックな姿勢はもちろんだが、1年間ラジオの生放送を担当するなど、こうしたバラエティ的なことまでやってのける懐の深さが、老若男女問わず愛される魅力の一つであることは間違いない。
後半戦開幕、というAyaseの掛け声とともに、ikuraがエレガントなベールを纏って登場。「勇者」で一気に空気を引き締めると、「あの夢をなぞって」冒頭のアカペラには観客から大歓声が上がる。タオル回しで一つになる「三原色」はYOASOBIライブの風物詩だ。
「夜に駆ける」が突然多くの人に聴いてもらえたことで一挙に変わった生活や、コロナという社会の変化に対する恐怖を乗り越え、支えてくれる人と一緒に新たな世界に飛び込むことが今は怖くなくなったと感慨深そうに語ったAyaseのMCのから、5周年記念の10月1日にリリースされた「モノトーン」を披露。周囲との関係性、距離感に対する葛藤を等身大の言葉で紡ぐ歌詞が、YOASOBI印ともいえるサウンドに乗って強い説得力を放つ。次いで、目まぐるしく変わる日々の中、常に取捨選択を迫られながらも、どうしても捨てられなかった、磨き続けてきたものがまさに今日のステージであるというikuraのMCから届けられた「アンコール」も叙情的に響く。そんな二人からバトンを受け取り、約3万5千人が心音を響かせた「HEART BEAT」を経ていよいよクライマックスへ。
音楽を通して出会えたあなたとより近い距離で、という言葉とともに感謝を届けた「ラブレター」、気球に乗った二人とカートに乗ったバンドメンバーがステージの枠を飛び出した「アドベンチャー」で祝祭感が溢れる。キッズダンサーを呼び込み、「ツバメ」「アイドル」という、方向性は真逆ながら全年齢対象でスケールの大きな楽曲が改めて会場を一つにしたのちの「群青」。2番からはikuraが会場を練り歩きながら歌を届ける。初の単独ドーム公演、すなわち過去最多の人数がYOASOBIだけを見に来たというこの場所ならではの大合唱を作り出し、本編は幕を下ろした。
2日間の大阪公演ののち、11月9日、10日には東京ドーム公演を開催。12月?来年2月には、日本人アーティスト最大級となるアジアアリーナツアーを控え、6月にはスペイン最大級のフェス・Primavera Sound Barcelonaへの出演も発表されたばかり。5周年を経て新たなスタートを切ったYOASOBIがまなざす世界は、彼らの音楽とライブをもって体感するのが一番であると、改めて感じさせられた夜だった。
☆YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”
<大阪公演>
10月26日(土) 京セラドーム大阪
開場 15:30 / 開演 18:00
10月27日(日) 京セラドーム大阪
開場 14:30 / 開演 17:00
<東京公演>
11月9日(土) 東京ドーム
開場 15:30 / 開演 18:00
11月10日(日) 東京ドーム
開場 14:30 / 開演 17:00
お問合せ:ホットスタッフ・プロモーション
■リリース情報:
YOASOBI
最新リリース
「モノトーン」
作詞・作曲・編曲:Ayase/歌唱:ikura
2024年10月1日(火)配信リリース
※タイアップ:映画『ふれる。』主題歌
▽配信URL:
https://orcd.co/monotone
■YOASOBI プロフィール:
コンポーザーのAyase、ボーカルのikuraからなる、“小説を音楽にするユニット”YOASOBI。2019年11月に公開したデビュー曲「夜に駆ける」は、公開直後から瞬く間に注目を集め、国内の各種配信チャートでも1位を席巻、複数カ国のバイラルチャートにもランクインし、2020年の年間Billboard JAPAN総合ソング・チャートとストリーミング・ソング・チャートでは1位を獲得。現在ストリーミング累計再生回数は史上初となる10億回を突破。第71回NHK紅白歌合戦にも出場した。2021年1月には満を持してリリースした1stEP『THE BOOK』は、”小説を音楽にする”というコンセプトを表現したまさに”読むCD”ともいうべき豪華な仕様が大いに注目を浴びているうえ、オリコンデジタルアルバムランキングでは5週連続1位を獲得、収録されている7曲もApple MusicチャートTOP15以内にランクイン。7月ユニクロ「UT」とのコラボで、ユニクロ有明本部内のUNIQLO CITY TOKYOにて開催した無料配信ライブ『SING YOUR WORLD』では同時接続者数28万人を記録。12月に2nd EP『THE BOOK 2』を発売し、同月4,5日に日本武道館にて開催した初の有観客ライブ『NICE TO MEET YOU』では、2日間で1.4万人を動員し、関連ハッシュタグが連日トレンド入りするなど盛り上がりを見せた。年末には2年連続となる第72回NHK紅白歌合戦出場を果たした。2022年2月より、島本理生・辻村深月・宮部みゆき・森絵都という4人の直木賞作家が原作小説を書き下ろし順次楽曲を発表していくというプロジェクト『はじめての』を始動し、原作小説4作が収録された書籍を発売。8月には、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」のステージで、初めての夏フェス出演を果たし、各地のフェスでも初ライブを繰り広げ、LEDパネルを用いた特殊なステージや演出が話題に。夏フェス出演にあわせてスタートした“移動式書店「旅する本屋さん YOASOBI号」”では、YOASOBIの関連書籍の販売に加え、Ayase・ikuraが監修したカレーをキッチンカーで販売するなど、幅広い展開でも注目を集めた。2022年10月期のTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のオープニングテーマ「祝福」は、その原作小説『ゆりかごの星』(大河内一楼 著)とともに大きな反響を呼び、ストリーミング1億回再生を早くも達成。2023年2月にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン『ユニ春』テーマソング「アドベンチャー」を配信リリースし、3月にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン グラマシーパーク特設会場で開催された『ユニ春! ライブ 2023』に出演。コロナ禍の学生の経験を元に制作した楽曲に込められたメッセージや、ライブでのさまざまなキャラクターとのコラボ演出が、同世代の学生のみならず幅広い層の心に刺さっている。4月12日(水)リリース、TVアニメ『【推しの子】』オープニング主題歌「アイドル」は、Billboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”で、21週連続で総合首位を獲得し、Billboard JAPANの歴代連続首位記録を更新、加えて史上最速でストリーミング累計再生回数は4億回を突破した。さらに、米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”、Apple Music「トップ100:グローバル」、YouTube music charts TOP 100 songs Globalでも首位を獲得し、J-POP史上初となる記録を次々と打ち立て続けている。4月24日に全世界配信されたTikTok LIVEでは累計視聴者数約63万人、同時視聴者12万人超えと、TikTok LIVEにおける国内アーティストのパフォーマンスライブで最高の視聴者数を記録。初アリーナツアー『YOASOBI ARENA TOUR 2023 “電光石火”』では追加公演含めて7都市14公演で計13万人動員。8月には、88rising主催「HEAD IN THE CLOUDS Los Angeles」にて、初のLAフェス出演を果たした。同年10月には約1年半の活動を記した3rd EP『THE BOOK 3』をリリース。さらに、2023年12月から2024年1月にかけて自身初のアジアツアーYOASOBI ASIA TOUR 2023-2024を敢行し、各所でチケット即完を記録。2024年4月には世界最大級のフェスCoachella Valley Music and Arts Festivalへ出演。加えて、ロサンゼルス、サンフランシスコにて初のアメリカ単独公演を敢行し、チケットは販売開始わずか30分で完売。さらに、7月にはアニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』主題歌「UNDEAD」をリリース。さらに、今年度の「NHKスポーツテーマ」を担当することが決定し、新曲「舞台に立って」を書き下ろした。8月には、シカゴ発、今ではヨーロッパ、南米等でも展開している国際的なフェス“Lollapalooza”に出演を果たし、さらにアメリカ ニューヨーク、ボストンでの単独公演を成功させた。国内では10月に結成5周年を迎え、2024年秋に自身初のドーム公演の実施が決定するなど、J-POPを代表し世界に打って出ていくアーティストとして、国内外のあらゆる場面で際立った活躍を見せている。